(写真:PZ20型キャブレター(KEIHIN製PB18型のコピー品))
👆OHのためカブから取り外してお釜を開けたところです。フロートも白いままで、見た感じそんなに汚くなっている訳ではありませんでしたね。リトルカブの純正品はPB16です。基本OHは同じ手順であります、以前PB16を開けたときの記録はこちらです。フロートの仕組みについて、書かせていただいております。基本、仕組みは同じですので、よろしかったらご覧ください。
さて、先日、伊勢志摩へのロングツーリング時にキャブレターとインテークマニホールドをつなぐ部分のインシュレーター(スペーサー)ガスケットの破損を見つけまして、その交換のついでにキャブレターのオーバーホール(OH)をいたしました。
現在、私が使用しているキャブレターは中華エンジンキットに附属しておりました、中国製キャブレターPZ20であります。KEIHIN製PB18のコピー品ですね。
中華エンジンに交換してから、1万キロ近く走ったので「そろそろOHを」と思った次第であります。
作業工程等を「作業記録覚え」のつもりでアップさせていただきます。

▲①キャブレターを外す手順です。まずは燃料コックをオフにします。
▲②次に、キャブレターのお釜の中に入っているガソリンを排出するために、このネジを緩めますとチョロチョロでガソリンが流れ出てきます。コックをオフにしておかないと、タンクからガソリンが供給されて、延々と流れ出ますので必ずガソリンコックはオフ。空き缶などで受け止めたガソリンはタンクに戻しておきます。
▲③ガソリンコックのネジ2か所を外してガソリンコックを外します。
▲➃キャブレターとインテークマニホールドをつなぐ2つのボルトを緩め、キャブレターを本体から分離します。
▲⑤キャブレターに接続してあった破損した古いパワーフィルターは廃棄しました。パワーフィルターは全天候型ではなかったので、雨対策もあり、しばらく純正のエアフィルターに戻そうと思います。
▲⑥ここを回してスロットルケーブル等を取り外します。中から、バネと共にジェットニードル、ピストンバルブなどが飛び出しますので無くさないように保管します。
▲⑦このネジを緩めてチョークケーブルを取り外すと、キャブレターが完全に本体から分離されます。
▲⑨キャブレターのお釜分部のパッキンゴム。キャブレタークリーナーは大変強力で、こうしたゴム部品は劣化してしまう恐れがありますので、外しておきます。できれば、新しいものに交換した方が良いのですが、もったいないのでまた使用いたします。

▲⑪部品に溶液ができるだけ長時間付着させるためムースタイプがオススメです。
▲⑫キャブレタークリーナーを吹いてクリーナー液に漬け込みます。穴と言う穴にクリーナーを吹きこんでおきます。
▲⑬メインジェットやスロージェットも取り外しておいて、別途、クリーナーを吹きつけます。キャブレタークリーナーは手も荒れますのでできるだけゴム手袋等で作業する方が良いと思います。
▲⑭漬け込んだメインジェットとスロージェットはピアノ線等で穴を綺麗にします。
▲⑮さまざまな太さのピアノ線がセットになった工具もあります。そんなに高いものではないので購入しても良いとおもいます。
▲⑰メインジェットをピアノ線でシコシコ磨いてガソリンの通りを良くします。
▲⑱交換用のインシュレーターガスケットをバイク屋で探したのですが売ってなかったので、4MINIコーナーにありました、APE100用のパワーブースターという商品名のスペーサーを購入。2次エアが入り込まないよう、強力にキャブレターとインマニをつないでくれるとのこと。
▲㉑バラすときと逆の順序で組み上げました。燃料コックをオンにして、始動。
一発でエンジンがかかりました。
アイドリングも安定しています。素晴らしい。もっと早くOHすればよかったです。
純正のエアクリーナーでは、パワーフィルターよりも少し最高速が遅くなってしまいましたが、気持ちよく走れるのでまあよしとします。
▲㉒燃料の供給量の微調整を行うエアスクリュー(赤丸部分)
キャブレターの中で、エアクリーナーから入ってきた空気とタンクから流れてきた燃料が霧状になってまざりますが、その質量の比を空燃比と呼びます。
理論上、14.7:1 が完全燃焼に適した理論値(理論空燃比)と言われております。
再度、車両にキャブレター回りを組み上げた直後の試走時、長い下り坂で、アフターファイアを起こしておりました。
アフターファイアとは、エンジンの燃焼室内で燃えきらなかった燃料が、マフラー内で爆発的に「パン!」と燃えることです。経験されたことのある方もおられるのではないでしょうか。
燃料の供給量の調整は、メインジェットやスロージェットなどの交換で調整しますが、微調整を、エアスクリュー(写真赤丸部分)で行います。
エアスクリューの調整の方法ですが、一旦一杯まで閉めてから、1回転と1/2程度戻してエンジンを掛け、アイドリングが一番高くなるあたりを目安に調整すると上手く行くと思いますです。
3回転以上緩めなくてはいけない場合は、スロージェットの交換等で調整します。
エアスクリューを閉めれば燃料は濃くなりますし、開ければ薄くなります。
エアスクリューで混合器を微調整することにより、アフターファイアは無くなり、さらに気持ちよく走ってくれるようになりました。いい感じです!
(バイクのメンテナンスは自己責任。難しいと思うようでしたら、プロに任せてくださいませ。)
※過去のリトルカブ関連のネタ、中華エンジンについてはコチラにインデックスを張ってあります。

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